2016年度 上智大学経済学部経営学科 網倉ゼミナール 卒業論文
デパ地下の行方 お惣菜市場においてデパ地下惣菜は生き残れるか
A1342418 新井 萌野 2017年1月15日提出
1
目次 1 はじめに 2 デパ地下概要 2.1 デパ地下定義 2.2 歴史 2.3 現状 2.4 惣菜市場概況 2.5 惣菜市場成長の背景 3 仮説、検証 4
結論
5
おわりに
参考文献 引用
2
1はじめに 近年、私たちの食生活を取り囲む環境は年々変化を遂げている。筆者自身も大学に入学し、 一人暮らしを始めてから以前と食生活が変わったと感じている。外食やお惣菜に頼る機会も多く なった。その中でも特に、利用しているのはデパ地下である。バイト帰りや学校帰りにデパ地下 に寄ると、いつでも人でにぎわいを見せている。なぜ人はデパ地下に行くのか、今後デパ地下は 生き残っていけるのか本論文では一消費者である筆者の素朴な疑問について分析していきたい。
2 デパ地下概要 2.1
デパ地下定義
日本大百科全書(ニッポニカ)にはデパ地下について次のように定義されている。
百貨店(デパートメント・ストア)の地下売場を略したことば。多くのデパートの地階は食品売 場であることから、百貨店の地下食品売場をさす。地下食(ちかしょく)ともよばれる。生鮮食 品や加工食品、パン、和洋菓子、チーズ、総菜、弁当、酒類などが販売されている。地階に食品 売場が設けられる理由としては、冷蔵施設、水道、ガスなどの配管設置面での合理性や、におい や水が漏れても他のフロアに影響しないこと、地下駐車場から頻繁に行われる商品の搬出入の容 易さなどがあげられる。また、買い物客の多くは上層階で買い物をして帰り際に食品売り場を訪 れるため、出口に近い地階のほうが便がよく、また、地下鉄からの入店客や、食料品目当ての来 店客にとっても、上層階にあるよりも地階のほうが利便性が高いためとされる。 "デパ地下", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, http://japanknowledge.com,
2.2
デパ地下の歴史 3
日本でデパ地下が生まれた経緯は 1907 年に日本橋三越本店が地下食堂を開設したことが始ま りとされている。その後 1936 年に大丸松坂屋名古屋店が地下階を食料品フロアとし、 「名物街」 を開設した。この名物街には、代表的な専門店が常設され、現在のデパ地下のスタイルが構築さ れたきっかけとも言える。当時の広告には「いよいよ 1 日より開設『東西名物街』。古くから名 代の老舗と謳はれる東西一流の代表的専門店を常設致しました」とある。 (図1)1951 年には株 式会社東横百貨店(現:東急百貨店東横店)で「東横のれん街」がオープンした。当初の参加店 舗は 15 店であったが、その後増床を重ね、国内外の銘品を集めたものへと発展していった。1979 年~1980 年に伊勢丹新宿店、高島屋東京店などの都心にある百貨店が相次いで食料品売り場を リニューアルし、1991 年~1994 年には西武池袋店や小田急百貨店などがリニューアルをした。 1990 年代頃からデパ地下という言葉が俗称として使われていたが、2000 年に渋谷駅直結の東急 百貨店東横店で「東急フードショー」が開設され、雑誌などのメディアに取り上げられたことに より、一般に広がっていった。この東急フードショーでは、デパート初出店のテナントを多数導 入し、店内厨房の強化やイートインの設置により、デパ地下ブームの火付け役となったと言われ ている。iその後徐々にブームは落ち着くが 2006 年、2007 年と百貨店の改装が進み、デバ地下 ブームが再来した。
(図1
2.3
出典
デパ地下の現状 4
大丸松坂屋 HP)
2011年から現在までのデパ地下の現状について考察する。日本百貨店協会が発表している 百貨店の商品別売上高の推移(グラフ1)を見てみると、デパ地下の商品にあたる食料品は衣料 品に次いで高い売上を誇っているが、近年の売上はほぼ横ばいであることが分かる。食料品の内 訳(グラフ2)で見てみると、生鮮食品、その他食料品は年々減少傾向にあるのに対し、菓子、 惣菜は安定した売り上げを保っている。本論文では、このうち伸びしろが見込めるお惣菜分野に 着目していくこととする。
(グラフ1)百貨店商品別売上高推移
(日本百貨店協会
売上高推移第2表商品別売上高より作成)
(グラフ2)食料品売上高内訳
(日本百貨店協会
2.4 惣菜市場概況 5
売上高推移第2表商品別売上高より作成)
一般社団法人日本惣菜協会によると、惣菜は「市販の弁当や惣菜など、家庭外で調理、加工さ れた食品や家庭や職場、学校、屋外などに持ち帰ってすぐに(調理加熱することなく)食べるこ とができる、日持ちのしない調理済み食品(事業所向け給食および、調理冷凍食品やレトルト食 品など比較的保存性の高い食品は除外している) 」と定義されている。ii 業態については以下の定義に従いに分類する。 専門店、他 百貨店
総合スーパー
食料品スーパー
CVS
惣菜販売店、持ち帰り弁当店、駅弁売店、寿司販売店、おにぎり販売店等 以下の条件にあてはまる事業所の惣菜販売額 ・セルフ販売でない ・衣食住商品の販売額比率が各10%以上70%未満 ・従業員50名以上 以下の条件にあてはまる事業所の惣菜販売額 ・総合スーパー:衣食住にわたる各種商品を小売りし、 そのいずれも小売販売額の10%以上70%未満にある事業所で、従業員50名以上 ・衣料品スーパー:衣料品の販売額70%以上、250㎡以上 ・住関連スーパー:住関連品の販売額70%以上、250㎡以上 ・その他スーパー:その他の各種商品小売業に格付けされ、 コンビニエンスストアに該当しない、セルフサービス方式を採用している事業所 ・ドラッグストア:主に一般医薬品および医療用品を販売 以下の条件にあてはまる事業所の惣菜販売額 ・食料品の販売額比率が70%以上のスーパー ・250㎡以上 以下の条件にあてはまる事業所の惣菜販売額 ・30㎡以上250㎡未満 ・飲食料品を扱っている ・14時間以上の営業
(一般社団法人日本惣菜協会 HP より作成)
惣菜市場規模は、2005年に7兆5803億円であった。その後リーマンショックの影響に より一時期縮小傾向にあったが、2015年見込みでは9兆5881億円と堅調に推移し、今後 の成長に期待ができる市場であることが読み取れる。 (グラフ3)
(グラフ3)惣菜市場規模(単位:百万円)
(2011年、2016年版惣菜白書より作成) 惣菜販売売上高を業態別に見てみると、専門店・他、CVS が約3割ずつ、次いで食料品スー
6
パー、総合スーパーとなっており、百貨店は全体の約4%と最も小さい。また、2013年から 追ってみても合計売上高は増加しているにもかかわらず、百貨店の構成比は徐々に小さくなって いる。その一方で、食料品スーパーと CVS のシェアが徐々に伸びてきている。 業態 専門店、他 百貨店 直営 テナント 計 総合スーパー 食料品スーパー CVS 合計
2013 構成比 2863690 32.20% 13922 0.20% 357909 4.00% 371831 4.20% 923264 10.40% 2159719 24.30% 2577696 29.00% 8896200 100%
2014 構成比 前年比 2878779 31.10% 100.50% 13782 0.10% 99% 356139 3.80% 99.50% 369921 4.00% 99.50% 920299 9.90% 99.75% 2298718 24.80% 106.40% 2792761 30.20% 108.30% 9260479 100% 104.10%
2015 構成比 前年比 2902334 30.30% 100.80% 13867 0.10% 100.60% 357334 3.70% 100.30% 371201 3.90% 100.30% 918296 9.60% 99.80% 2451120 25.60% 106.60% 2945110 30.70% 105.50% 9588061 100% 103.50%
(2016年版惣菜白書より作成)
(2016年版惣菜白書より作成)
2.5 惣菜市場成長の背景 食事の形態を3つに分類するとレストランや居酒屋、お蕎麦屋さんなど家の外で食事をする 「外食」 、自炊、手料理の「内食」、そしてテイクアウトやデリバリー、ケータリングなどすでに 作ってある調理食品を購入し、会社や自宅など購入店以外の場所で食事をする「中食」に分けら れる。 近年、私たちの食生活の中で中食の占める割合は拡大してきている。(グラフ4)この中食の成 長を引き起こしている要因として、大きく分けて 2 つの要因があると考えられる。1 つ目は、高 齢化社会、晩婚化、女性の高学歴化、単身世帯の増加、デフレ経済、災害といった社会・経済の 変化である。これにより、家庭内における夫婦の家事役割分担の変化や家事の短時間化、簡略化 といったライフスタイルの変化が起きていると考えられる。2 つ目は、原料原産地表示の対象品 目の拡大や放射能検査、食育、食生活指針の推進といった行政の方向付けによるものである。ま た、消費者の中でも食に対して健康、安全・安心を求めたり、グルメ志向、バランス志向、本物 志向など価値観の変化が起こっている。この行政の方向付けにより調理済みであっても安心、安 全であるという点と家庭内における古くからの和食スタイルの崩壊や家族バラバラの食事(個食
7
化や孤食化) 、ながら食事のような食シーンの変化によるお惣菜ニーズの増加が合致し、中食が 伸びてきているのではないかと考える。2016年版惣菜白書によると、調理時間を節約するた めに惣菜を利用すると答えた人は大いにそう思う、ややそう思うの両者を合わせて 60.4%と過 半数を上回っている。(グラフ5)また、お惣菜の経済性について、自炊するよりも惣菜を購入 したほうが経済的だと答えた人は 29.9%であり、経済的だとは思わない人 27.7%とほぼ同数で あることが分かる。(グラフ6) 1 世帯当たりの食料全体の年間支出金額指数の推移(グラフ4)をみると、1980 年を 100 と し、1990 年代前半までは横ばいに推移しているが、2012 年には 76.4 と近年では減少にある。 外食については 1995 年までは上昇傾向で推移していたのに対し、2000 年以降は徐々に減少し ている。調理食品は 1980 年以降一貫して上昇傾向で推移し、2012 年の調理食品の年間支出金 額指数は、1980 の 1.5 倍となっている。iii 単身世帯の年間食料支出は 2011 年で、50 万 9002 円で消費全体の 26.4%を占めている。食料 支出の中では、外食 16 万 5242 円、調理食品は、6 万 9283 円となっており外食、調理食品を合 わせた食の外部依存の比率は 46.1%と高い。iv食の外部依存が高まる中で、外食へ対する支出金 額指数の減少を考えると、惣菜市場が今後の食生活、食シーンの創造において大きな役割を担っ ているといえる。
(グラフ4)1 世帯当たりの食料全体の年間支出金額指数 170 150 130 食料全体 110
調理食品
90
外食
70 50 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2012 出典 農林水産省 HP
※年間支出金額について、消費者物価の変動分を取り除き、1980 年を
100 とし作成)
(グラフ5)
(グラフ6)
8
(2016年版惣菜白書より作成)
3、仮説、検証 ここまでの惣菜市場の変化についてデータを元に分析してきた。日本の食生活における惣菜 の役割の大きさが判明したところで、ここからはデパ地下でお惣菜に的をしぼり、仮説の検証に 進みたい。デパ地下のお惣菜を購入している客層や、商品選択のポイント、購入金額によるデー タから人々はなぜデパ地下に訪れるのか検証をしていく。本来なら全国各地にある百貨店を比較 したいところだが、筆者が今回訪問できた東京都内の百貨店についてのみを分析対象とする。
一般社団法人日本惣菜協会が行ったアンケートのデータを元に分析をする。 2012年版惣菜白書より 調査地域:首都圏(1都3県)に居住する20代~60代の女性321人 調査期間:2012年2月16日~2月21日 2016 年版惣菜白書より、 調査地域(1都3県)に居住する20代~60代の女性1110人 調査期間:2016年2月12日~2月16日
首都圏における月平均購入金額は1000円未満が最も多く、その比率は約3割~4割となっ ており、どの年度においても大差がつかないものとなった。デパ地下で売られている惣菜の単価 の目安が200円~400円未満の商品が多いこと、また、1回あたりの購入種類が1種類~3 種類と答えた人で9割を占めることを考えると、約3割の消費者が月に1回~多くても5回程度 デパ地下の惣菜を購入しているのではないかと考える。一方で、月に5000円以上購入してい る消費者は約1割と比率的には小さいが、一定数存在していることが分かる。
9
(2011年、2016年版惣菜白書より作成)
惣菜単価の目安(2016年) 200円未満 200円~30 0円未満 300円~40 0円未満 400円~50 0円未満 500円~10 00円未満 (2016年版惣菜白書より作成)
1回あたりの購入種類 100 一切買わない
80
6種類
60
5種類
40
4種類
20
3種類 2種類
0
1種類
(2012年、2016年版惣菜白書より作成)
10
一人あたりの購入金額や頻度、購入種類は決して多くないことが分かった。続いて消費者はな ぜデパ地下でお惣菜を購入するのか考察していきたい。全国各地の美味しいものはネット通販で も購入することができ、スーパーやコンビニなどでお惣菜を購入することは容易である。しかし、 購入頻度は少ないものの人々はなぜデパ地下を利用するのか。消費者はスーパーやコンビニ、専 門店に移行してしまわないのか、デパ地下のサービス面と商品面から仮説を立て検証する。
① デパ地下の売り場そのものが魅力的である 筆者はでデパ地下の空間そのものを楽しみにデパ地下を訪れているのではないかと考えた。近 年のデパ地下は、デパ地下が構築された頃に比べ受けられるサービスに変化がある。デパ地下が 導入された当初は単に、国内外の名店を取りそろえ、ギフトが中心の売り場作りであった。近年 ではそれに加え、商品を購入するだけでなく、見ていても楽しい売り場、消費者のライフスタイ ルの変化に寄り添った売り場作りが築き上げられている。ここで、東京都内にある主力百貨店の 代表として西武百貨店池袋店と伊勢丹新宿店の取り組みについて取り上げておきたい。 ・西武百貨店池袋店 西武食品館では、消費者の商品選択の手助けとなるべく販売員15名が売場を巡回している。 管理栄養士…健康な食生活の実践のために、献立やレシピの提案、相談 デリカアテンダント…お惣菜、お弁当探し、健康に留意したお惣菜探しの相談 食品スイーツアテンダント…大切な方への贈り物や気軽に持っていきたい「てみやげ」の選び方 の提案 ・伊勢丹新宿店 伊勢丹新宿店の食品フロアでは、食品フロア全体の商品選択の手助けをするフードアテンダント によるお買い物相談に加え、ソムリエ&ワインアドバイザー、利き酒師から日本茶インストラク ターや調味料マイスターなどといった各ショップでその商品に精通したプロ達が買い物のアド バイスをしてくれるサービスを展開している。また、イートインコーナーが多く設けられている ことも特徴的である。実際に訪ねてみると仕事帰りらしき女性が一人で食事していたり、買い物 途中のおばちゃんたちがお茶する姿をみかけた。
(出典
新宿伊勢丹 HP)
11
都内にある他の百貨店でも似たような販売員が常駐している店舗が多い。デパ地下の特徴の一 つでもある対面販売に加え、このような顧客一人一人が手厚い接客サービスを受けることができ る。デパ地下のメイン顧客である40歳代~60歳代の専業主婦の方々は、近場のスーパーに行 く時よりも、多少なりおしゃれな服を着て、街に買い物に出たついでにデパ地下に訪れる。そこ で買い物をするという行動に加え、知識豊富な販売員の方とお話しながら商品を見て回ることが できるという点は専門店やスーパー、コンビニにはないデパ地下ならではの魅力であるだろう。
② 商品自体が魅力的である 消費者のお惣菜の購入における選択基準はどこにあるのか。前述の通り、そもそもデパ地下の 起源は全国各地の特色ある銘品や、老舗店の商品が取り揃えたことに始まる。デパ地下の商品は、 原材料や季節感などの見栄え、パッケージなどにこだわり、家庭では作るのにひと手間かかるも のなどに注力しており、消費者にとってお惣菜を購入することによる付加価値は高いと考える。 それに対し、スーパーや専門店のお惣菜はあくまでも家庭の味を目指してきており、消費者にと って選択の付加価値は低いと考えた。 その一方で、惣菜に関して特定の購入先の有無についての調査結果をみると(グラフ7)、 「購 入先は特に決めていない」の回答が6割以上となっている。以上の点をふまえると、お店側は、 商品による差別化を図ろうとしているものの、消費者は商品そのものに魅力を感じ惣菜の購入を しているとは言い切れない。
(グラフ7)特定の購入先の有無
(2016年版惣菜白書より作成)
③ デパ地下の顧客は競合に移行しない そもそもデパ地下の競合は何であるのか。デパ地下離れした消費者はスーパーやコンビニ、専 門店に移行していくのか。 惣菜協会が、専門店7230社(28社)、百貨店52店(5社)、総合スーパー1907店(1
12
0社)、食料品スーパー2169店(30社)、CVS60016店(78社)に対して行った調 査から、各事業形態が意識している客層、年齢層を時間帯に分類した。各社が意識していると回 答した項目に○を振り分けた結果、以下の通りになった。 午前中(7 時~11 時) 客層
年齢層
独身男性 既婚男性 独身女性 専業主婦 兼業主婦 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代
昼(11 時~14 時)
惣菜専門店 百貨店 総合スーパー食料品スーパー CVS ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○
夕方(16 時~19 時) 客層
独身男性 既婚男性 独身女性 専業主婦 兼業主婦 年齢層 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代
惣菜専門店 百貨店 ○
○
独身男性 既婚男性 独身女性 専業主婦 兼業主婦 年齢層 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代
総合スーパー食料品スーパー CVS ○ ○
客層
○ ○ ○
○ ○
○
○ ○ ○
○ 年齢層
○ ○ ○ ○
○ ○ ○
惣菜専門店 百貨店 ○ ○ ○ ○ ○ ○
総合スーパー食料品スーパー CVS ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○
○ ○
○ ○
○ ○ ○ ○
○
夜間(20 時~22 時)
○ ○ ○
客層
○ ○
独身男性 既婚男性 独身女性 専業主婦 兼業主婦 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代
惣菜専門店 百貨店 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
総合スーパー食料品スーパー CVS ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
そもそも各事業形態によって意識している客層の違いがある。百貨店は40歳代~50歳代の 専業主婦をメインターゲットとしているのに対し、他事業形態では男性客の取り込みや、年齢層 も幅広い結果となっており、筆者は、百貨店とスーパーやコンビニ、専門店とは意識しているタ ーゲットが異なるため、競合とは言い切れず、百貨店のお惣菜を購入している既存顧客は、専門 店、スーパー、CVS の惣菜へと移行していく可能性は低いと考える。
13
4、結論 人々の食生活の変化とともに、お惣菜の担う役割は大きくなりつつある。そのような流れの中 でも、デパ地下はターゲットとしている顧客層が明確であり、これまで述べてきたようにピンポ イントに戦略を立て売り場作りをすることができてさえいれば、既存顧客の維持ができると考え る。ゆえにお惣菜市場においてデパ地下は生き残っていくことができると結論付けることとする。 今後、各百貨店がターゲットとしている客層、年齢層になっていく筆者自身も一消費者としてデ パ地下の行方に注目していきたい。
5、おわりに 夏合宿から一貫してデパ地下をテーマに研究を進めてきたにもかかわらず、このような内容 の薄い卒業論文となってしまったことを心からお詫びします。また2年間のゼミを通して、ゼミ に参加する中で私自身の知識不足、考えの浅さが原因で授業についていくのに必死で何も貢献で きていなかったことをとても後悔しています。この2年間の集大成を見せようとした卒業論文も このような出来栄えとなってしまいとても反省しています。 経営学科へ編入し、基礎も分かっていないような私を受け入れていただいた網倉先生、先輩方、 同期、後輩たちにはとても感謝しています。今後、後輩に向けて「何がおもしろいの」と言える 立場にはありませんが、他の面で網倉ゼミの後輩たちに還元できるよう精進します。 本当にありがとうございました。
14
参考文献 ・日本大百科全書(ニッポニカ)http://japanknowledge.com/lib/display/?lid=1001050309354 ・大丸松坂屋 HP
http://www.matsuzakaya.co.jp/corporate/history/honshi/syowa.shtml
・日本百貨店協会
http://www.depart.or.jp/
・一般社団法人
日本惣菜協会 HP
http://www.nsouzai-kyoukai.or.jp/outline/publishing/
・2011 年版惣菜白書
・2012 年版惣菜白書
・2016 年版惣菜白書
・伊勢丹新宿店
食品フロアのツボ
http://www.isetanspecial.com/foodfloor/
・農林水産省 http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h24_h/trend/part1/chap2/c2_3_02_2.html
・東急百貨店 HP http://www.tokyu-dept.co.jp/toyoko/foreign/index.html/ ・株式会社日本マーケティング研究所 顧客接点レポート
進化する PB
量販店の取り組みと、再来したデパ地下ブーム
http://www.jmr-g.co.jp/reports/report11.html
・西武池袋本店 HP ブランドインデックス&売り場案内 https://www.sogo-seibu.jp/ikebukuro/kakutensublist/?article_seq=195534
15
引用 i
東急百貨店
渋谷駅・東横店HP
ii一般社団法人
iii農林水産省
日本惣菜協会 HP
http://www.tokyu-dept.co.jp/toyoko/foodshow/index.html/ http://www.nsouzai-kyoukai.or.jp/outline/publishing/
HP
http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h24_h/trend/part1/chap2/c2_3_02_2.html iv農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h24_h/trend/part1/chap2/c2_3_02_2.html
16